発達障害等に関する学びや情報交換の場になることを願って投稿させて頂きます。今日のトピックは「児童発達支援と放課後等デイサービスの違い」についてです。

児童発達支援と放課後等デイサービスの最も大きな違いは、利用者の対象年齢です。それに伴い、細かな違いがあります。

この記事では「うちの子はどっちを利用できるの？」「それぞれの支援内容は？」といった疑問を解決できる情報をお伝えします。療育支援施設を探す準備に役立ててください。

児童発達支援・放課後等デイサービス｜それぞれの特徴

児童発達支援と放課後等デイサービスは、共通点が多くあります。どちらも、障害があり支援を必要とする子供一人ひとりに個別支援計画が作成され、集団生活への適応や自立を目的に療育をする施設です。また、児童福祉法に基づく施設で、利用するには自治体が発行する障害児通所受給者証が必要な点も同じです。

ただ、利用の条件や療育内容について相違点もありますので、以下の項目について解説します。

• 対象となる歳
• 療育の方向性
• サービス提供の時間帯
• 家庭にかかる費用

これらの内容を比較しながら、詳しくみていきましょう。

対象となる歳

児童発達支援の利用対象者は、未就学児です。保育園やこども園の利用の有無は問わず、支援の必要がある子供が利用できます。年齢の下限は特に設けられていませんが、施設によって設備や人員態勢が異なるため、確認が必要です。

放課後等デイサービスは、小中高生が利用できます。学校に在籍していれば、不登校などでも利用可能です。

療育の方向性

児童発達支援では、生活に必要な能力を身に付けることが主な内容です。例えば、トイレトレーニング・着替え・言葉の練習・コミュニケーションなど基本的なことを学びます。発達の遅れなどで運動や感覚機能の訓練が必要な場合は、個々に合わせた細やかなプログラムで療育を受けます。

放課後等デイサービスで主に支援するのは、学習面や集団生活面でのスキルを身につけることです。自分に合った学習の仕方を練習したり、集団で過ごす際のルールを守る習慣を身に付けたりします。プログラムとしては、集中力を高めるのに役立つ制作活動、ルールや思いやりを学ぶのに役立つゲームなどです。また、社会経験を積む機会として、施設外へ出かける活動もあります。

年齢の特性から、児童発達支援は個別での支援に重点が置かれ、放課後等デイサービスは集団での活動から学ぶケースが多いでしょう。

どちらも、集団で過ごす時間のなかでも、指導員が子供の特性や発達段階を見極め個々に必要なサポート支援を行います。

サービス提供の時間帯

児童発達支援の利用時間は施設によってさまざまです。短時間のマンツーマン対応の形式もあれば、昼食をはさんで数時間の預かりをする施設もあります。

放課後等デイサービスは、学校がある平日は放課後、土日・祝日や夏休みなどの長期休暇は終日の利用が可能です。

施設によって土日・祝日に休業日が設けられているところもあります。

また、どちらも施設の営業時間とサービス提供時間（子供を預かる時間）は異なる点にご注意ください。営業時間内には、スタッフたちが会議や療育の準備なども行っているためです。

家庭にかかる費用

児童発達支援と放課後等デイサービスの利用者負担額で、一つ異なる点があります。児童発達支援では、満3歳の4月から就学するまでの期間が無償です。

それ以外の方は、どちらも国や自治体が一部を負担するため、利用者負担は1割です。ただし、ひと月での利用者負担上限額が設定されており、所得に応じてその上限額が異なります。金額は以下の通りです。

生活保護世帯・市民税非課税世帯	0円
市町村民税課税世帯（年収約900万円以下）	4,600円
市町村民税課税世帯（年収約900万円以上）	37,200円

そのほか、全家庭におやつ代や活動費などの実費負担があります。

併設・一体型（多機能型）について

児童発達支援と放課後等デイサービスがそれぞれ独立はしているものの、同じ経営母体で運営されている施設があります。また、一体型（多機能型事業所）で運営する施設も多いです。

このような、両者の関係が密接な施設では、さまざまなメリットがあります。児童発達支援から小学校へ進学する際、放課後等デイサービスを継続利用するとワンストップの支援が可能で、子供自身の移行負担も軽減されます。また、異年齢児との交流も増え、子供同士が関わりを通して成長し合える機会になるでしょう。

利用までの流れ

利用までのおおまかな流れは以下の通りです。

1. 施設に問い合わせや見学をして利用施設を決める
2. 役所で障害児通所受給者証の発行を申請する
3. 発行されたら施設と契約する

施設を決める際に見当がつかない場合、役所がリストを参照させてくれることもあるため、そちらに問い合わせるのもよいでしょう。

まとめ

児童発達支援と放課後等デイサービスは、利用する子供が未就学児か就学児かという点で違います。年齢が違うため支援内容も異なりますが、どちらも一人ひとりの子供に合わせた支援をする場所であることに変わりはありません。

施設によって方針や得意分野があるため、子供の支援目的に合った場所を見つけてください。

【Q&A】

Q.児童発達支援と放課後等デイサービスの違いは何ですか？

A.最も大きな違いは、利用できる年齢です。児童発達支援は未就学児、放課後等デイサービスは就学児が利用します。年齢が違うため、支援内容の傾向や利用時間も違います。

Q.児童発達支援と放課後等デイサービスの利用料は？

A.児童発達支援と放課後等デイサービスでは、どちらも利用料は同じで所得に応じた利用者負担上限月額が設定されています（0円、4,600円、37,200円）。ただし、児童発達支援では満3歳の4月から就学までの期間、利用料は無償です。