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COLUMN

発達障害と子育て

2024年6月6日

発達障害

SSTとは?発達障害のある子供が人との関わり方を学ぶ方法を紹介
SSTとは?発達障害のある子供が人との関わり方を学ぶ方法を紹介

発達障害等に関する学びや情報交換の場になることを願って投稿させて頂きます。今日のトピックは「SSTと発達障害の関わり方」についてです。

SSTとはどのようなものなのか、発達障害との関係を解説し、SSTを実践する方法をご紹介します。放課後等デイサービスや児童発達支援など児童福祉の現場で働きたいと考えている方は、ぜひこちらの記事を参考にSSTの知識を身につけてください。

SSTは認知行動療法の一種

SSTとは、「Social Skills Training(ソーシャルスキルトレーニング)」の略称です。認知行動療法の一つで、生活技能訓練や社会生活技能訓練を表します。

人間関係や社会生活で必要なソーシャルスキルが身についていないと、自分の気持ちや考えを相手に説明したり、相手の気持ちを汲み取ったりすることが難しいです。そのため、人間関係を上手に構築・維持できず、社会から孤立してしまうケースも少なくありません。

相手に不快感を与えない行動や思考を身につけ、人間関係を円滑に進めるスキルを養うために行うトレーニングが「SST」です。

SSTと発達障害の関係とは?

発達障害のある子供は、ソーシャルスキルを身につけることが困難な場合があります。特にASD(自閉症スペクトラム障害)の子供は、空気を読んだり、相手の気持ちを考えたりすることが苦手です。そのため、社会生活のなかでトラブルが起きやすくなり、人との関わりを持てず、孤立してしまう場合もあるでしょう。

このようなトラブルを回避するには、自分の気持ちを伝えたり、相手の気持ちを考えたりできるようになる必要があります。SSTでのさまざまなトレーニングを通じて、ソーシャルスキルを習得すれば、日常生活でも発揮できるようになります。

発達障害のある子供がSSTで人との関わり方を学ぶ方法

発達障害のある子供はSSTを通して、人との関わり方を学習できます。SSTの手順は以下の通りです。

  1. 教示|トレーニングの目的を伝える
  2. モデリング|手本を見せる
  3. リハーサル|実演する
  4. フィードバック|実演の振り返り
  5. 般化|学んだスキルを発揮する

それぞれの内容を詳しく解説します。

教示|トレーニングの目的を伝える

トレーニングの内容や目的、学習方法のコツなどを伝えることを「教示」といいます。教示では言葉で伝えるだけでなく、イラストや図などの視覚資料を活用し、トレーニングの要点を説明します。

教示のねらいは、スムーズにトレーニングを行えるようにすることです。子供の特性に合わせて、わかりやすい方法でトレーニングの説明を行いましょう。

モデリング|手本を見せる

モデリングでは適切・不適切な行動を手本として見せ、どのようにすればよいのか考えてもらいます。モデリングを行えば、トレーニングのやり方や具体的な方法をイメージできるようにもなります。

モデリングは先生や保護者による手本を見せる方法のほか、動画教材やプリントなどの活用も効果的です。また、日常的によく起きる出来事などを取り入れると子供もイメージしやすく、実践しやすいでしょう。

リハーサル|実演する

モデリングで行った手本を参考に、先生や保護者を相手に実演します。実演方法は多岐に渡り、ロールプレイやゲーム、ディスカッションなどがあるので、子供の特性に合う手法を選びましょう。

リハーサルはSSTのなかでも重要な役割を担い、トレーニングの説明がきちんと伝わっているか判断できるポイントともいえます。

フィードバック|実演の振り返り

リハーサルを振り返り、適切な行動ができているか評価します。不適切な行動であった場合は、どうすれば上手く対応できるのかヒントや考え方を具体的にアドバイスをします。

フィードバックは肯定的に行うことが原則です。不適切な行動を修正する場合であっても、否定的な言葉は使わず、考え方や方法などを具体的に、わかりやすく伝えるのが重要です。

般化|学んだスキルを発揮する

トレーニングで行った内容を日常的に活用できるようになるのが「般化(はんか)」です。トレーニングでは上手く対応できても、実生活で発揮するのが苦手な場合があります。

トレーニングで学んだスキルを活かせるように環境面で配慮することも必要です。学校や家庭、利用している福祉サービスと連携をとって、生活のなかで身につけたスキルを発揮できる場を用意してあげましょう。

SSTを通した発達障害のある子供との関わり方

SSTを通して発達障害のある子供と関わるには、主に以下の方法があります。

  • ロールプレイ
  • ディスカッション
  • ゲーム
  • レクリエーション
  • 共同活動 など

ロールプレイは、日常で起こるシーンを想定して、どのように対応すればよいのか練習をします。柔軟に活用するのが難しいトレーニング手法であるため、活用方法を共有する際は慎重に教示を行ってください。

ディスカッションは対話能力を養える方法で、課題に対して論理的に考える力が身に付くため、さまざまな能力を鍛えられます。ゲームやレクリエーションでは、カードゲームやボードゲームなどを取り入れて行えるため、子供にとって最も親しみやすい方法といえます。

子供の特性に合わせた方法を導入しましょう。

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まとめ

SSTは認知行動療法の一つで、人間関係や社会生活を構築・維持することが難しい発達障害のある子供にとって必要なトレーニングです。日々の関わりから子供の特性や困りごとに対応したSSTのプログラムを組み込むとよいでしょう。

SSTの手順や方法を把握して、発達障害のある子供へ人との関わり方を学習する機会をつくってください。

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