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発達障害と子育て

2024年6月6日

発達障害

聴覚過敏の特徴とは?原因や対策を紹介|理解したい聞こえ方の違い
聴覚過敏の特徴とは?原因や対策を紹介|理解したい聞こえ方の違い

発達障害等に関する学びや情報交換の場になることを願って投稿させて頂きます。今日のトピックは「聴覚過敏」についてです。

聴覚過敏とは、音が聞こえ過ぎるために、周囲の音に過剰に反応したり苦痛を感じたりする症状です。発達障害の子供は、聴覚過敏の症状が現れやすい傾向があるといわれています。

本記事では、聴覚過敏の特徴やその原因、そして聴覚過敏の子供の聞こえ方を理解しながら効果的な対応をする方法を紹介します。

聴覚過敏とは?

聴覚過敏とは、他人の声や身の回りの物音など、多くの音が聞こえ過ぎてしまう症状であり、診断名(病名)とは違います。聴覚過敏ではわずかな音が異常に大きく聞こえ、多くの方は気にとめない音が苦痛に感じる状態です。常に耳元で大声で話されているような状態の方もいるため、ストレスだけではなく、痛みを感じることもあります。

「音」は普段から身のまわりに溢れているので、聞きたくない音だけをシャットアウトするのは難しいです。そのため、聴覚過敏は日々の生活に影響を与えやすいといわれています。

また、発達障害のある子供は外部刺激への反応が敏感になりやすい特性があるため、聴覚過敏の症状も出やすい傾向があるようです。

聴覚過敏の特徴・具体的な症状は?

聴覚過敏の子供は、どんな音も苦痛に感じるわけではありません。苦手な音と、許せる音があり、それは子供によっても、またその日の体調によってもばらつきがあるようです。具体的には次のような症状があります。

  • 特定の音が苦痛
  • 小さな音でも耳をふさぐ
  • まわりの人より早く音に反応する
  • 大勢の人の話し声がする場所が苦手
  • 大きな音や突然の音を怖がる
  • 不協和音に耐えられない

音の聞こえ方は子供によって違い、本人以外には分からないので、聴覚過敏はまわりには理解されにくい現状があります。

聴覚過敏の主な原因は?

聴覚過敏の主な原因として、次の3つが考えられます。

  • 耳の機能
  • 脳の機能
  • ストレス(不安)

それぞれ詳しく見ていきましょう。

耳の機能が原因

耳に備わっている、耳のなかの筋肉が収縮して大きな音を制御する機能が上手く働かない状態です。大きな音もそのまま耳の奥まで届いてしまうため、多くの音が大音量で聞こえ、苦痛を感じます。

また、メニエール病や突発性難聴などの耳の病気や、顔面神経麻痺などが原因で、特定の音だけが大きく響くなどの症状が出る場合もあります。

脳の機能が原因

脳に備わっている、聞きたい音を取捨選択する機能が上手く働かない状態です。聞きたい音や必要な音を選んで聞くことができず、脳が聞こえる音すべてを取り込むため、ストレスを感じやすいです。

また、てんかんや片頭痛などの疾患や、ASDなどの発達障害によって、感覚が敏感になり、聴覚過敏の症状が現れやすくなる場合もあります。

不安やストレスが原因

強いストレスや不安を感じると、聴覚過敏の症状が出やすいといわれています。例えばじっとしていなければならない場所が苦痛、人の多い場所が苦手、次の見通しがたたない状態が不安など、苦手な環境は子供によって違います。その子のストレスや不安が大きい場所では、ささいな音でも耐えられなくなり、聴覚過敏の症状が出やすくなるかもしれません。

聴覚過敏の子供への対応方法は?

苦手な音に無理に慣れさせようとすると、子供のストレスが高まり、逆効果になってしまう場合があります。また、「大丈夫だよ」「怖くないよ」などの声かけも、あまり効果はありません。

ここでは、効果的な対応方法を4つ紹介します。

音の刺激から遠ざける

まずは、子供の苦手な音から遠ざける工夫をしましょう。大きな音の出るもの(電話機や掃除機など)の音を小さくする、机や椅子の足にカバーをはめる、運動会のスタート音をピストルから別の音に変更してもらうなどです。また、音の届かない部屋など安心できる空間を確保し、不快な音から離れられるようにするのも有効です。

不快な音を軽減するグッズを利用する

耳に入ってくる不快な音を減らすグッズの利用も検討しましょう。全体的に音を小さくしたい場合には耳せんやイヤーマフの使用、雑音を減らしたい場合にはノイズキャンセリングイヤフォンの使用が有効です。イヤーマフはヘッドフォンで音楽を聞いていると勘違いされる場合もあるので、まわりへの周知が必要です。シンボルマーク(聴覚過敏保護用)などを活用しましょう。

不安材料を取り除き、安心させる

突然の大きな音は、聴覚過敏の子供にとってかなりのストレスです。大きな音が出るときは、可能な限り事前に伝えて、心構えをさせてあげましょう。また、お気に入りのぬいぐるみや毛布など、安心できるグッズを持ち歩くのも効果的です。先ほど紹介したイヤーマフなどを持ち歩くのも、「これがあれば大丈夫」という安心につながります。

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専門家にアドバイスを受ける

聴覚過敏自体の治療法は確立していませんが、聴覚過敏の原因が病気(疾患)の場合は、その病気の治療によって聴覚過敏の症状が軽減されるケースもあります。

また、子供は自分の聞こえ方や不安を上手く伝えられないこともあるので、専門家のカウンセリングを受けて、よりよい対応方法のアドバイスを受けるのもおすすめです。

まとめ

聴覚過敏は、本人以外には分かりにくい症状です。子供が大きな音を怖がったり、特定の音に過剰反応する様子が見られたら、聴覚過敏かも知れません。聴覚過敏の対応で一番重要なのは、子供が我慢せずにすむ配慮をしてあげることです。その子が苦手な音の刺激を軽減したり、不安材料を取り除いたりすることで、安心して過ごせる配慮が大切です。

聴覚過敏は脳の特性なので、「気にしすぎ」などではなく、本人の努力や気の持ちようでは解決できません。刺激に敏感なのは、感受性が豊かなことでもあるので、その子の気持ちに寄り添いながら、安心できる環境をつくっていきましょう。

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