COLUMN
発達障害と子育て
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子育て・育て方悩み
「大きな地震が起きたとき、この子は私に連絡できるだろうか」
防災の日が近づくこの時期、非常食や避難経路の確認をしながら、ふとそんな不安がよぎる保護者の方は少なくありません。特に、言葉でのやりとりに時間がかかるお子様や、初めての場面で緊張しやすいお子様の場合、「連絡する」という行為そのものが大きなハードルになります。
この記事では、災害時の連絡手段として今あらためて見直されている「公衆電話」を軸に、ご家庭でできる備えと、アップの教室で実際に行っている取り組みをご紹介します。
結論から言うと、公衆電話は携帯電話がつながりにくい状況でも通話できる可能性が高く、子どもが自力で家族に連絡する手段として有効です。
大きな災害が起きると、携帯電話は通信が集中してつながりにくくなります。一方で公衆電話は災害時にも通信規制の対象外として扱われることがあり、避難所などで無料化される措置がとられた事例もあります。
しかし現在、公衆電話の設置台数は年々減少しています。街で見かける機会が減った結果、今の子どもたちの多くは公衆電話を使ったことがありません。 受話器を上げる順番、お金を入れるタイミング、どのボタンを押すのか——大人にとっては当たり前の手順が、初めての子どもには何ひとつ自明ではないのです。
さらにNTT東日本の調査では、家族の携帯電話番号を覚えていない子どもがほとんどであることも指摘されています。スマートフォンの連絡先に登録されている番号は、いざそのスマートフォンが手元にない状況では役に立ちません。
| 状況 | 携帯電話 | 公衆電話 |
|---|---|---|
| 通信が集中したとき | つながりにくくなることがある | 比較的つながりやすい |
| 停電時 | 充電が切れると使えない | 電話回線から電力を得る機種は使用可能 |
| 子どもが持っていないとき | 使えない | 街中で探して使える |
| 必要な準備 | 充電・契約 | 小銭またはテレホンカード、番号の記憶 |
「電話をかける」という行為は、大人が思っている以上に複雑な作業の組み合わせです。特性のあるお子様の場合、次のような点でつまずきやすくなります。
受話器を上げる → お金を入れる → 番号を押す → 相手が出るのを待つ → 話す。この一連の流れを、順序どおりに実行する必要があります。手順の記憶や切り替えが苦手なお子様にとっては、それだけで負荷の高い課題です。
表情や身振りといった視覚的な手がかりがないまま、音声だけでやりとりをしなければなりません。対面でのコミュニケーションは取れても、電話になると急に難しくなるお子様は多くいらっしゃいます。
名前を名乗る、用件を伝える、相手の返事を聞いて答える。この即興的なやりとりが、緊張の中では特に難しくなります。
災害時は本人も動揺しています。普段できることでも、緊張状態ではできなくなるのが自然です。 だからこそ、「落ち着いた状況で何度も経験しておくこと」が備えになります。
地図で調べるだけでなく、実際に一緒に歩いて「ここにあるね」と確認しておくと記憶に残りやすくなります。NTT東日本のサイトには公衆電話の設置場所を検索できるページがあります。学校や習い事など、お子様がよく行く場所の周辺も見ておくと安心です。
家族の携帯番号を書いた小さなカードを、財布やランドセル、キーホルダーなどに入れておきます。番号を覚えていなくても、カードがあれば電話をかけられます。このカードには、災害用伝言ダイヤルで使う「キーとする電話番号」も一緒に書いておくとより実用的です。
「もしもし、○○です。今、○○にいます。無事です」——このように話す順番をシートにして、カードの裏に書いておきます。緊張していても、読み上げるだけで用件が伝わる形にしておくのがポイントです。アップの教室でも、この「話す内容のシート」を用意することで、お子様が安心して電話に臨める場面を確認しています。
もっとも効果があるのは、実際に体験することです。休日のお出かけの際などに、一度だけでも公衆電話から家族に電話をかけてみてください。「知っている」と「やったことがある」の差は、緊急時に大きく表れます。
なお、災害用伝言ダイヤル(171)には体験利用日が設けられています。毎月1日と15日のほか、防災週間(8月30日〜9月5日)や防災とボランティア週間(1月15日〜21日)にも体験できますので、この機会にご家族で試してみるのもおすすめです。
アップ センター南教室では、こうした「もしものときのスキル」を、遊びの中で自然に身につけられるようにしています。2026年5月5日のこどもの日には、恒例となっている「公衆電話レク」を行いました。
公衆電話の使い方を学びながら、センター南の町探検をするレクリエーションです。スタッフからのミッションに電話を使って答えを伝え、次のミッションを聞く——このやりとりを通じて、姿を消しつつある公衆電話に触れる機会、そして自分で電話をかける機会を体験してもらいます。
ミッションを解くためにあちこちに目を向けると、普段歩き慣れているセンター南の駅前でも知らないことがあり、逆に知っていることには「えー、これじゃない」「あっちだと思うよ」とお友達同士で声を掛け合い、協力する場面も見られました。
ミッションのひとつ「階段の数を数える」では、皆で一列に並んで「1、2、3……」と声を揃えて1段ずつ数えていく、かわいらしい場面もありました。
電話をかける場面では、かけるときのやりとりをシートにしていたので安心して準備できていましたが、いざ本番となるとみんなドキドキで、名前を言い忘れたり、返事をし忘れたりと緊張が見られました。それでも2回目の報告では経験が生きたのか、落ち着いた様子が見られています。
1回目で緊張し、2回目で落ち着く。 この変化こそが、体験を重ねることの価値です。
皆でミッションをクリアしたあとは、お待ちかねのパフェづくり。アイスにお菓子、バナナにみかんにチョコソース。思い思いの組み合わせで積み重ねていき、最後にプリンを載せてオリジナルパフェの出来上がり。お腹が冷えないか心配になるほどでしたが、そんな心配もどこ吹く風で、皆おいしそうに完食していました。
すべてのミッションをクリアして、公衆電話レクは大成功。「防災訓練」という形ではなく、町探検とパフェづくりを組み合わせた楽しい一日の中に、実生活で必要なスキルの練習が自然に組み込まれている——これがアップの療育の考え方です。
お子様向けに、公衆電話の探し方・かけ方をマンガや動画で学べます。連絡先カードを作れるコンテンツもあります。
緊急通報(110番・119番)は、お金やテレホンカードがなくてもかけられます。機種によっては受話器を上げてから赤い緊急通報ボタンを押す操作が必要です。ただし家族への連絡には硬貨またはテレホンカードが必要になるため、10円玉を数枚持たせておくと安心です。
無理にかけさせる必要はありません。まずは「見る」「受話器を持ってみる」だけでも十分な一歩です。話す内容を紙に書いておく、保護者の方が隣で見守るなど、負担を減らす工夫から始めてみてください。段階を分けることで、抵抗感は少しずつ和らいでいきます。
年齢よりも、お子様の状態に合わせることが大切です。数字が読めて短い文が話せるようであれば、練習を始められます。最初は保護者の方が一緒に操作し、慣れてきたら見守る形に移していくとよいでしょう。
携帯電話を持っていても、練習しておく価値はあります。災害時は通信が集中してつながりにくくなることがあり、充電切れや紛失、手元にないタイミングで被災する可能性もあるためです。連絡手段の選択肢を複数持っておくことが、備えになります。
アップでは、運動療育・学習療育・パソコン教室を通じて、お子様が社会に出たときに役立つ力を、楽しみながら身につけられる場を目指しています。今回ご紹介した公衆電話レクのように、実生活につながる経験を大切にした活動を行っています。
無料体験・ご見学を随時受け付けております。まずはお気軽にお問い合わせください。
▶ 教室の詳細・お問い合わせはこちら:https://up-welfare.com/school/
※アップでは、一緒に働いてくださるスタッフも募集しています。詳しくは採用情報をご覧ください。
運動・学習療育のアップでは
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