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発達障害と子育て

2024年3月5日

トピックス

運動療育とは?運動療育の内容や効果についてわかりやすく解説
運動療育とは?運動療育の内容や効果についてわかりやすく解説

運動療育とは?運動療育の内容や効果についてわかりやすく解説

発達障害等に関する学びや情報交換の場になることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは「運動療育」についてです。

発達障害をもつ子供には、はさみが上手に使えない、なわとびがうまくできないなど運動面での不器用さがよく見られます。運動療育は、体の使い方を上手にするために行われる療育の1つです。体だけでなく、心の発達も促すことができるので、多くの放課後等デイサービスで取り入れられています。

運動療育とは

運動療育とは、運動を通して行う療育です。発達障害や学習障害をもつ子供のなかには、運動面に不器用さがある子が多く見られます。

運動療育は、そういった子供たちに運動を通して繰り返し学習を行い、身体的な発達を促し、体を上手に使えるようになることを目的としています。

運動療育で得られるメリット

運動療育は、はさみを上手に使えない、なわとびがうまくできないなど運動面に不器用さが見られる子供に効果的な療育です。運動療育では、体力がつく・体が上手に使えるようになるなどの運動能力の向上だけでなく、自己肯定感を高める・社会性が向上するなど心理的な発達も促します。

体をうまく使えない子供が抱える課題とは

運動面で不器用さがみられる原因の1つとして、発達性協調運動障害(Developmental Coordination Disorder)の可能性が考えられます。

発達性協調運動障害(DCD)とは、病気やけががない状態であるにもかかわらず、体の動きにぎこちなさが生じる障害のことです。そのため、日常生活に支障が出るような運動面での不器用さが見られる場合が多くあります。

注意欠陥多動性障害(ADHD)や学習障害(LD)などほかの障害とあわせ持つ場合も多いといわれており、精神疾患の国際的な診断・統計マニュアルDSM-5-TRによると、DCDの発生頻度は5〜8%といわれています。ADHDの約7.2%と同じくらいの数字ですから、決してめずらしい障害ではありません。

運動面に不器用さがある子供によくみられる特徴

発達性協調運動障害(DCD)の子供によく見られる特徴は次の通りです。

まずは、身体全体を使った運動の際に見られる特徴が以下です。

  • 座っているときや立っているときに姿勢が崩れやすい
  • ダンスや体操時にずれてしまう・動きを覚えるのに時間がかかる
  • なわとびや鉄棒など道具を使った動きが全般的に苦手

次に、手や指を使った運動の際に見られる特徴が以下です。

  • 文字がマス目からはみ出したり、文字が崩れたりしてしまう
  • プリントや折り紙がきれいに折れない
  • 音楽のリコーダーなど道具を使った動きが全般的に苦手

このような状態が常に見られるため、日常生活を送るのに支障が出てしまいます。

体がうまく動かせないことによる心理的な影響

運動面で不器用さが見られる子供たちは、日常生活や学校生活でもうまくいかない経験が増えていきます。何度も失敗したり、うまくできずに怒られたりする経験が積み重なると、だんだん自信を失い、意欲を失ってしまいがちです。

そうなると学校への行きしぶりが始まり、不登校になってしまうケースも少なくありません。

運動療育の内容と効果について解説

運動療育では、運動面で不器用さが見られる子供の苦手な動きを克服できるように、その子に合ったプログラムを組んで行います。その内容と効果について解説していきます。

運動を通してさまざまな力を身につける

一般的には、体を大きく使う粗大運動のあとに、細かい運動である微細運動が発達してくるといわれています。粗大運動とは、走る、飛び跳ねるなどの体を大きく使う運動のことです。

それに対して、微細運動とは、手や指を使い何かをつまむなどの細かい運動のことです。運動療育では、おもに以下のような3つの運動を行い、体の使い方を習得していきます。

1つ目は、協応動作を高める運動です。手と目、右手と左手など、体の2か所以上を同時に動かす運動を協調運動といいます。運動面に不器用さが見られる子供は、この協調運動がうまくいっていないケースが多いです。例えば、サーキットトレーニングやリトミックなどを通して、協調運動を身につけていきます。

2つ目は、体のコントロールを高める運動です。自分の頭でイメージした通りに体を動かすこと(コントロール)を学ぶための運動です。自分の力を加減したり、思ったところに体を動かしたりするトレーニングを行います。例えば、平均台の上をわたる、的あてゲームをするなどが挙げられます。

3つ目は、バランス感覚を高める運動です。体幹を鍛え、重心を保つために必要な力を養います。例えば、バランスボールやバランスボードを使用して鍛えていきます。

心身の発達に大きな効果

運動療育は心身の発達に大きな効果があります。運動療育の効果といえば、やはり体の使い方が上手になることでしょう。

運動は感覚統合のいいトレーニングです。脳からの指令がうまく伝わるように、たくさんの刺激を与えると、さまざまな感覚が統合され正しく機能するようになります。それだけでなく、筋肉など体の発達も促してくれます。継続的に運動を行い、必要な筋肉や基礎体力を身につけ体が丈夫になるでしょう。

また、運動療育はストレス発散にも効果的です。じっとしていることが苦手な子供にとって、机に向かって行う療育ばかりだとストレスを感じてしまうでしょう。運動療育は、体を動かす療育であるため、思い切り体を動かして楽しみながら取り組めます。

そして、上手に体を動かすことができるようになると達成感を得られるため、自己肯定感の向上につながります。また、ゲームや遊びを取り入れると、ほかの子供と一緒に取り組む機会がうまれ、社会性の向上も期待できるでしょう。

まとめ

運動療育には、心身の発達に多大な効果があり、多くの放課後等デイサービスで取り入れられています。放課後等デイサービスには、専門性を備えたスタッフが常駐しているので、個別にその子に合ったプログラムを用意してくれます。もし、お子さんの運動面の不器用さで悩んでいるのであれば、一度、放課後等デイサービスに相談してみませんか?

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